いわて川ものがたりについて

合唱と朗読による構成詩 「いわて川ものがたり」について

川村光夫・テキスト/岡田和夫・作曲による、朗読と合唱によって構成された合唱組曲で、岩手県を流れる川と岩手の歴史を、語りと合唱で綴った壮大な作品。岩手の四季の風景と、石川啄木、宮沢賢治、アテルイ・モレと大和朝廷軍の戦い、藤原三代の栄華、遠野物語、南部三閉伊一揆、そして昭和のダム建設、東日本大震災までのエピソードが、川の流れに沿って時代を前後しながら物語られており、合唱曲には、宮沢賢治の詩や石川啄木の短歌を歌詞としている曲も複数ある。

 作品の初演は1991年。北上市が町村合併する際に記念事業の舞台作品として地元の俳優と女声合唱団によって演奏され、その後、語りと独唱・四部合唱の形に編曲された。第一混声合唱団では1992年に初演され、2006年と2013年に再演。

1998年と2014年には湯田町(西和賀町)銀河ホールで公演した。再演の度にテキストと新曲が書き加えられている。

初演と、2014年の銀河ホール公演は、ぶどう座の俳優による朗読で上演した。

 金子忍は、1994年から第一混声合唱団メンバーとして参加しており、初演以外は出演している。

 

 

弾き語りと朗読による「いわて川ものがたり」について

「合唱と朗読による構成詩 いわて川ものがたり」を、ゆくゆくは岩手の方々によって上演されるように岩手の地で広めたい、という思いから、2021年3月より、作曲・岡田和夫氏の弟子である金子忍が、コントラバスとギター伴奏で二声で歌う形に編曲し、吉田水子と共に岩手でのコンサートで数曲ずっ発表してきた。

 2022年1月15日に町家物語館・浜藤ホールにて約2/3までを上演し、好評を得て、 今回(2022年11月5日)の公演では初の完全版での上演となる。

 

 

劇作家・演出家 川村光夫(かわむらみつお)氏について

1922 年岩手県湯田町(現西和賀町)生まれ。1950 年に同所に劇団ぶどう座を結成し、劇作演出にあたる。

劇作に「百万ドル」「どぶろく農民の墓」「めくらぶんど」「うたよみざる」など。

宮沢賢治作品の脚色に「鹿踊りのはじまり」、「銀河鉄道の夜への旅」、「猫の事務所ごっこ」がある。

「鹿踊りのはじまり」は、劇団前進座によってヨーロッパ3カ国で上演される。

「うたよみざる」は現地に長期滞在した松下朗氏によってロシア国オムスク市の劇団によって上演され、後に出演者数名が来訪してぶどう座との合同公演を実現する。

90年に劇団として第43回岩手日報文化賞学芸部門を受賞。

岩手県演劇協会会長を努めた。

西和賀町では文化活動をさらに強めるため、1993 年西和賀町文化創造館(銀河ホール)を建設。川村氏は同館の建設委員長、名誉館長などを務めた。

2020 年 8 月、98 歳にて永眠。

 

作曲家 岡田和夫(おかだかずお)氏について

作曲家。劇団俳優座・劇団前進座・劇団風の子等の演劇音楽を多数手がけた(前進座養成所・劇団風の子付属児童演劇研究所講師も歴任)他、俳優座の千田是也氏の主宰した「ブレヒトの会」を通して岩手県湯田町(現・西和賀町)で劇団ぶどう座を主宰されていた川村光夫氏と交流があり、ぶどう座の演劇音楽の作曲や、「湯田町町民憲章」への作曲、湯田小学校校歌の作曲もしている。

また、第一混声合唱団(東京都三鷹市で活動)を47年にわたって指導し、数多くの合唱曲を残しており、「よだかの星」(テキストは原文通り) 、「グスコーブドリの伝記」(テキストは劇作家のふじたあさや氏=劇団えるむの劇中歌として作曲)等を合唱曲化した他、「イーハトーブファンタジー」「宮沢賢治へのオマージュ」など、宮沢賢治の詩や言葉をテキストとした合唱曲作品も多い。

2017 年 11 月、86 歳にて永眠。